センター試験の廃止。大学入試の改革と小学校教育改革の繋がり


これまで国公立の大学入試では、一次試験的な役割である全国共通問題の『センター試験』と、大学側が個別で問題を作成し実施される『2次試験(個別学力検査)』との両方を受験し、その合計点で合否が判定されてきました。

しかしながら、このセンター試験の廃止が決定され、2020年度からはこれに代わり新たに『大学入学希望者学力評価テスト(仮称)』(以下 新テストと呼ぶ)が導入される事となります。

 

変革の内容と小学校教育との繋がり

 

1.記述・議論・表現力に力を入れた取り組み

では新テストの導入目的とは一体何なのでしょうか。

新テストではグローバル社会で求められる思考力、判断力、表現力を評価するテストへの切り替えを目的としています。そこでセンター試験ではマークシート方式だった解答方式を改め、新テストでは国語や数学では柔軟な思考や表現力を求める『記述式』を導入します。それに伴い理科や社会についても段階的に記述式に移行されるものと思われます。

ちなみに、高校入試でもすでに全教科において、解答に記述式を用いる割合がかなり高くなっています。例えば社会科です。ある時期の産業のグラフや、文献が提示されていて、『なぜ当時の産業がこのように推移しているのか、当時に起こった世界的な出来事に注目し、アメリカという語句を使って説明しなさい』などといったものです。
この場合は世界恐慌時の日本の生糸の輸出の変化についてなのですが、『世界恐慌によりアメリカの経済が崩壊したことで、アメリカが主な輸出先であった日本の絹糸の輸出量が大幅に減ったから』などが答えとなります。

昔のように単語や年号や人名を丸暗記する時代は確実に終わりました。

小学校の全教科で記述・議論の教育を取りいれるという次期学習指導要領もこの流れに沿ったものだと思われます。資料や問題を読み取り、設問の意味を読み取り、自分の思考や理論を組み立てて、文字や言葉で表現する、という一連の力。グローバル社会を渡っていくために必要な思考力、判断力、表現力を幼い頃から確立していくことになります。

これからは家庭においても、
なぜ?どうして?どう思う?どうすればいいと思う?
日常でのそんなやりとりから自分の意見が言える力を育むことが大切になってくるのかもしれません。

 

2.話せる英語、使える英語を身につける取り組み

また、英語についてはこれまで中心だった2技能(読む、聞く)から4技能(読む、聞く、話す、書く)に重点を置くことを目標に、センター試験では同じくマークシートだった英語の試験に替えて民間試験を利用する方向で整備されています。

これは、学習指導要領に対応した民間試験(英検・TOEFLなど)を高校3年の4~12月までに最大2回受験し、その成績をセンター試験の代わりに大学に提出するというものです。要するに入学試験として他の教科を受ける際に英語の試験自体が行われないことになります。その代わりに英検やTOEICなどで3年生の間にテストを受けておいてその成績を提出するのです。これにより将来的にスピーキング(話す)やライティング(書く)に対応した評価を取り入れる動きが考えられています。

ちなみに英語試験の民営化については、現段階では、2020年度から完全に民間に一本化する案と、2023年までは試験と民間を併用して2024年度から一本化するという移行期間をもつ案の2案があります。

こういった実践的な英語力を身に付けるための対策として、今回の小学校における英語必修化の早期化という道が作られていると思われます。

一部では早すぎる、正しい日本語の確立の妨げとなるといったお声も聞かれますが、小学校では英語教育の入口としてゲームや歌で楽しさを知るところから始まりますので恐らく日本語教育の妨げとはならないものと思います。

これらの変革はまだまだ細かな問題点の解決やルール化が必要であり、様々な意見や観点を取り入れて現在協議中となっています。文部科学省は高校、大学関係者や一般から意見を聞き、6月に実施方針をまとめるとしています。

今後もこの受験変革には十分に意識を向けていかなければなりません。特に私たち保護者は受験制度の知識のないままに勉強をやれとせかすだけでは子供の受験には一緒に向かい合えません。
幼稚園や保育園から大学まで、教育は一連の繋がりをもって今後も変革を遂げていきます。あらゆる教育へのアンテナをきちんと張りましょう。

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